VEXAS症候群の呼吸器病変と鑑別

Respiratory involvement and differential diagnosis of VEXAS syndrome

　VEXAS症候群は多彩な症状を呈する後天性の自己炎症性疾患である．呼吸器病変は半数以上でみられ，非喫煙者やp.Met41Val，p.Met41Thrのバリアントに多い．自覚症状として呼吸困難や咳嗽が出現する．血液検査ではCRP値や血小板数が高値であり，胸部陰影はすりガラス影や浸潤影が多くみられる．気管支鏡検査ではneutrophilic alveolitisの所見が得られるが，線維化は少ない．細菌性肺炎，心不全，日和見感染など鑑別疾患は多岐にわたる．高容量の副腎皮質ステロイドによく反応するが，漸減により再発しやすく，他の治療薬と併用することが多い．呼吸不全はあまり多くないが，致命的になりうる．また，呼吸器感染症の合併には常に注意するべきである．