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特集 知っておきたいVEXAS症候群――早期診断と治療
VEXAS症候群の遺伝学
-――現在の視点
Genetics of VEXAS syndrome
――Current perspectives
三好 雄二
1,2
Yuji MIYOSHI
1,2
1東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科
2同ゲノム診療科
キーワード:
VEXAS症候群
,
UBA1遺伝子
,
体細胞モザイク
,
自己炎症性疾患
,
遺伝学的検査
Keyword:
VEXAS症候群
,
UBA1遺伝子
,
体細胞モザイク
,
自己炎症性疾患
,
遺伝学的検査
pp.209-216
発行日 2025年4月19日
Published Date 2025/4/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293030209
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VEXAS症候群は,UBA1遺伝子の体細胞バリアントによる機能低下が原因で発症する後天性自己炎症性疾患であり,p.Met41のミスセンスバリアントとその上流のスプライシングアクセプター部位がホットスポットとして知られている.新規バリアントの報告やクローン性造血との関連,遺伝子型-表現型相関の解明が進んでいる一方で,バリアントアレル頻度のカットオフ値や女性症例で検出されたバリアントの解釈,診断基準の確立など,多くのクリニカルクエスチョンが残されている.“UBA1遺伝子バリアントの検出=VEXAS症候群の診断” とは限らず,遺伝学的検査の曖昧性と限界を理解したうえで,過剰診断を避ける慎重な解釈が求められる.VEXAS症候群は次世代に継承しない遺伝病であるが,専門的な遺伝学的検査や遺伝情報の解釈,遺伝カウンセリングを必要とする場合には,臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラー®との連携が重要である.

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