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第1土曜特集 神経変性疾患の分子病態解明と治療法開発
研究開発手法の最前線
神経超希少疾患に対する個別化アンチセンス核酸医薬開発
Personalized antisense nucleic acid therapeutics for ultra-rare neurological diseases
中山 東城
1,2
Tojo NAKAYAMA
1,2
1東京科学大学総合研究院核酸・ペプチド創薬治療研究センター
2同大学院医歯学総合研究科脳神経病態学分野
キーワード:
アンチセンス核酸(ASO)
,
希少疾患
,
N-of-1個別化創薬
Keyword:
アンチセンス核酸(ASO)
,
希少疾患
,
N-of-1個別化創薬
pp.759-765
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292090759
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核酸医薬は,抗体医薬に続く次世代の分子標的医薬として注目されており,とりわけ中枢神経疾患の分野で臨床開発が加速している.特にアンチセンス核酸(ASO)は,脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するヌシヌルセンの成功により,神経疾患の新たな治療モダリティとして注目を集めている.これまでにSMA,デュシェンヌ型筋ジストロフィー,トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー,家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する核酸医薬が米国食品医薬品局(FDA)に承認されている.これらの認可核酸医薬の流れを受け,近年,神経希少疾患における個別の患者変異を標的とした核酸医薬を用いる “N-of-1臨床試験(N-of-1創薬研究)” の試みが米国を中心にはじまっている.N-of-1創薬研究は,特定の患者1人のためにオーダーメイドで核酸医薬を開発し治療を行うものであり,従来の治療法では対応が困難であった超希少疾患に対する新たなアプローチとして注目されている.

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