Japanese
English
第1土曜特集 希少遺伝性疾患の最前線 科学と社会をつなぐ
希少遺伝性疾患とは何か
-――定義・概念と国際的基準の変遷
Rare genetic diseases
――Definition
黒澤 健司
1
Kenji KUROSAWA
1
1国立成育医療研究センター遺伝診療センター
キーワード:
希少疾患
,
希少遺伝性疾患
,
指定難病
,
小児慢性特定疾病
,
超希少疾患
,
遺伝学的検査
Keyword:
希少疾患
,
希少遺伝性疾患
,
指定難病
,
小児慢性特定疾病
,
超希少疾患
,
遺伝学的検査
pp.886-889
発行日 2026年3月7日
Published Date 2026/3/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296100886
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
希少疾患は,個々の疾患としては極めて低い頻度を呈するものの,総体としての罹患者数が世界で数億人に及ぶ医学上の大きな課題である.しかし,その定義は国ごと,あるいは法令ごとに異なる.こうした違いや共通の指標となるデータの欠如は,治療薬の開発やアクセスの障害となる.EUでは “人口1万人あたり5人未満の有病率”,米国では “罹患者が20万人未満の疾患” とそれぞれ定義している.日本では “わが国において5万人未満であること” と定義しているが,希少疾患を多く含む指定難病は “人口のおおむね1/1,000程度未満” を要件としている.日本ではさらに小児慢性特定疾病の体制もある.また,数万人に1人以下を超希少疾患と定義する場合もある.これらを総合すると,有病率は少なくとも3.5~5.9%,疾患数は約7,000,全体数は4億5千万人に及ぶことが推定されている.海外では希少遺伝性疾患に対する遺伝学的検査が早い時期から議論されてきた.日本でも保険収載遺伝学的検査はこれまで拡充がなされてきた.2024年度の “複数の遺伝子疾患に対する検査” の導入は,こうした希少遺伝性疾患の医療の発展に大きく貢献する可能性がある.

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

