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第1土曜特集 神経変性疾患の分子病態解明と治療法開発
研究開発手法の最前線
神経変性疾患に対する核酸医薬
Nucleic acid therapeutics for neurodegenerative diseases
佐橋 健太郎
1
,
勝野 雅央
1
Kentaro SAHASHI
1
,
Masahisa KATSUNO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
アンチセンス核酸(ASO)
,
低分子干渉RNA(siRNA)
,
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
遺伝性トランスサイレチン型アミロイドーシス
Keyword:
アンチセンス核酸(ASO)
,
低分子干渉RNA(siRNA)
,
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
遺伝性トランスサイレチン型アミロイドーシス
pp.752-757
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292090752
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神経変性疾患では原因遺伝子・タンパク質や疾患修飾因子の解明が進んでいる.また,科学技術の進歩によって生体内の遺伝子や遺伝子産物の標的治療が可能となり,高い忍容性を有する手法が使用可能となっている.核酸を用いた運動ニューロンにおけるRNA治療は,脊髄性筋萎縮症(SMA)の乳幼児・小児患者に対し生命予後および運動機能発達の面で明確な改善効果を示し,SMAの疾患経過のパラダイムシフトをもたらした.さらに発症前新生児への治療において特に高い効果が認められており,発症前も含めた早期治療介入に向けてSMA新生児マススクリーニング検査の整備が行われている.成人進行例における有益性判定に資するエビデンスも蓄積されつつあり,治験および実臨床の成功が神経変性疾患の核酸治療のロールモデルとなっている.筋萎縮性側索硬化症(ALS)や遺伝性トランスサイレチン型アミロイドーシスに対する核酸医薬も開発され,研究成果の社会実装が加速している.

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