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第1土曜特集 ゲノム編集医療――最先端ツールからモデル,創薬,遺伝子治療へ
ゲノム編集モダリティ
塩基編集技術の発展と遺伝子治療への応用
Development of base editing and gene therapy
米村 洋而
1
,
西田 敬二
1
Yoji YONEMURA
1
,
Keiji NISHIDA
1
1神戸大学先端バイオ工学研究センター
キーワード:
塩基編集
,
脱アミノ化
,
遺伝子治療
Keyword:
塩基編集
,
脱アミノ化
,
遺伝子治療
pp.350-356
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292050350
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CRISPR-Cas9に代表されるDNA切断を伴うゲノム編集では,編集結果の不確実性と細胞毒性の高さが臨床などの応用の妨げとなりうるという認識が高まってきている.これに対して,塩基変換反応によって変異を導入できる塩基編集は,このDNA切断にまつわる課題を解決することができると期待されてきた.初期の塩基編集は変換可能な変異パターンが限定されていたが,著しい技術開発の進展により,さまざまなパターンの変異導入に対応してきている.また,オフターゲットやbystander mutationとよばれる塩基編集特有の課題についても対応が進み,ミトコンドリアゲノム編集などの新展開もみられる.本稿では,塩基編集の基本原理から近年のさまざまな改良技術やprime editingのような新技術とも比較しながら,それぞれの優位点と現状の課題について説明する.さらに,疾患治療法の開発についても実例をあげながら今後の臨床応用の見通しを述べる.
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