特集 網膜色素変性の治療
3 遺伝子治療
池田 華子
1
1京都大学医学部附属病院眼科
キーワード:
網膜色素変性
,
遺伝子治療
,
ウイルスベクター
,
遺伝子編集
Keyword:
網膜色素変性
,
遺伝子治療
,
ウイルスベクター
,
遺伝子編集
pp.647-653
発行日 2020年7月5日
Published Date 2020/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001724
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網膜色素変性の多くは,単一遺伝子の異常によって起きる疾患である。現在までに,常染色体優性遺伝形式を示す原因遺伝子として30遺伝子,常染色体劣性遺伝形式を示す原因遺伝子として63遺伝子,X染色体遺伝形式を示す原因遺伝子として3遺伝子が報告されている(Retinal Information Network,https://sph.uth.edu/retnet/,2020年4月28日時点)。各遺伝子のなかで複数の場所・種類の変異が原因として同定されており,変異の種類としては3,000種類を超える。さらに,新規の変異が次々と明らかになっている。次世代シーケンスなど,ゲノム配列の解析技術が進歩し,原因遺伝子が明らかにできる割合は上昇したものの,原因遺伝子が特定できるのは,報告により多少の違いはあれ,およそ半数程度の患者にとどまる。
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