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特集 肝疾患の早期発見・早期治療の要となる肝機能検査
プロトロンビン時間
Prothrombin time
中山 伸朗
1
Nobuaki NAKAYAMA
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
キーワード:
急性肝不全
,
劇症肝炎
,
LOHF
,
肝移植
,
ACLF
Keyword:
急性肝不全
,
劇症肝炎
,
LOHF
,
肝移植
,
ACLF
pp.223-227
発行日 2025年1月18日
Published Date 2025/1/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292030223
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わが国の急性肝不全およびLOHF,ACLFと関連病態の診断基準には “プロトロンビン時間(PT)40%以下ないしはPT-INR 1.5以上” が採用されている.急性および慢性の肝不全の予後予測にもPTは重要である.PTは肝細胞の合成する血液凝固因子の血漿濃度を反映し,第Ⅱ因子(プロトロンビン),第Ⅶ因子,第Ⅹ因子はビタミンK依存性にC末端のγ-カルボキシル化が生じ,酵素活性を獲得する.半減期が3~4時間の第Ⅶ因子の活性低下でPTは延長する.急性肝不全では,PT-INR 1.3以上,PT 60%以下で,専門医療機関への搬送を検討する.PT-INRは測定キットの感度(ISI値)の差異を解消する目的で考案されたが,測定試薬間でPT検査値が異なることに注意が必要である.
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