特集 肝炎の最新情報と展望
劇症肝炎をめぐる最近の話題
持田 智
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科教授
キーワード:
急性肝不全
,
劇症肝炎
,
遅発性肝不全(LOHF)
,
人工肝補助
,
肝移植
Keyword:
急性肝不全
,
劇症肝炎
,
遅発性肝不全(LOHF)
,
人工肝補助
,
肝移植
pp.51-55
発行日 2016年2月20日
Published Date 2016/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.02_0051-0055
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「はじめに」急性肝不全(acute liver failure)は,正常肝に壊死,炎症が生じて,8週間以内に肝不全症候を呈する症候群である。そのうち肝障害の原因が肝炎で,昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症がみられる症例を劇症肝炎(fulminant hepatitis)と診断している。劇症肝炎はB型急性肝不全が多いわが国に独自の疾患名で,1981年に犬山シンポジウムでその診断基準が発表された1)。一方,欧米はアセトアミノフェン大量投与など薬物中毒による急性肝不全が多く,肝炎の有無を問わず「fulminant hepatic failure(劇症肝不全)」と診断していた2)。その後,さまざまな疾患概念が提唱されたが3),2005年に米国肝臓病学会(American Association for the Study of the Liver Diseases;AASLD)は疾患名を「acute liver failure」に統一した4)。「KEY WORDS」急性肝不全,劇症肝炎,遅発性肝不全(LOHF),人工肝補助,肝移植
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