Japanese
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特集 肝疾患の早期発見・早期治療の要となる肝機能検査
アンモニア代謝と肝性脳症診療のこれから
Ammonia metabolism and hepatic encephalopathy
華井 竜徳
1
,
清水 雅仁
1
Tatsunori HANAI
1
,
Masahito SHIMIZU
1
1岐阜大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
肝硬変
,
高アンモニア血症
,
肝性脳症(HE)
,
サルコペニア
Keyword:
肝硬変
,
高アンモニア血症
,
肝性脳症(HE)
,
サルコペニア
pp.228-233
発行日 2025年1月18日
Published Date 2025/1/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292030228
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肝硬変に伴う血清アンモニア濃度の上昇には,腸内での過剰生産,肝や腎におけるクリアランスの低下,アンモニア代謝能の低下などが関与している.肝性脳症(HE)は代表的な肝不全兆候であり,その合併は患者の生活の質や臨床転帰に負の影響を及ぼす.アンモニアはHE病態生理の中心的役割を担い,直接的な神経毒性作用を有している.さらに,アンモニアは直接的な肝毒性作用,免疫機能障害,サルコペニア発症にも寄与している.臨床において,血清アンモニア濃度の測定はHE診断の一助となりうるが,HE昏睡度とは直接的関係はない.また,HE昏睡度間で血清アンモニア濃度にかなりの重複があり,HE治療の効果判定として使用するには限界があることに留意する必要がある.本稿では,肝硬変におけるアンモニア濃度上昇のメカニズム,HE発症の病態生理,臨床におけるアンモニア測定の有用性と課題について概説する.
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