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第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
ダウン症候群関連骨髄増殖症のゲノム異常と臨床的意義
Genomic abnormalities and their clinical significance of Down syndrome-related myeloproliferative disorders
吉田 健一
1
Kenichi YOSHIDA
1
1国立がん研究センター研究所がん進展研究分野
キーワード:
ダウン症候群関連骨髄増殖症
,
一過性異常骨髄増殖症(TAM)
,
ダウン症候群関連骨髄性白血病(ML-DS)
,
GATA1
,
RUNX1
Keyword:
ダウン症候群関連骨髄増殖症
,
一過性異常骨髄増殖症(TAM)
,
ダウン症候群関連骨髄性白血病(ML-DS)
,
GATA1
,
RUNX1
pp.79-84
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010079
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近年の網羅的な遺伝子解析研究により,ダウン症候群関連骨髄増殖症におけるゲノム異常の全貌が明らかになり,新生児期における一過性異常骨髄増殖症(TAM)が主にダウン症候群によるトリソミー21とGATA1遺伝子の変異によって発症し,一方でダウン症候群関連骨髄性白血病(ML-DS)の発症にはGATA1変異に加えてコヒーシン複合体,エピゲノム制御因子,シグナル伝達経路や転写因子など,さまざまな機能に関わる遺伝子に付加的なゲノム異常が獲得されていることが明らかになった.さらに,多数症例の遺伝子解析によりゲノム異常と臨床的な予後の関係が明らかになり,予後不良と相関するゲノム異常が同定された.将来的には遺伝子異常に基づいた治療層別化による個別化医療の実現により,ML-DSの予後改善につながることが期待される.
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