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第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
骨髄増殖性腫瘍におけるゲノム異常と臨床的有用性
The significance of genomic abnormalities in myeloproliferative neoplasms and their application to patient management
幣 光太郎
1
Kotaro SHIDE
1
1宮崎大学医学部内科学講座血液・糖尿病・内分泌内科学分野
キーワード:
骨髄増殖性腫瘍(MPNs)
,
HMR変異
,
予後予測
,
スコアリングシステム
Keyword:
骨髄増殖性腫瘍(MPNs)
,
HMR変異
,
予後予測
,
スコアリングシステム
pp.54-60
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010054
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真性赤血球増加症(PV),本態性血小板血症(ET),原発性骨髄線維症(PMF)からなる骨髄増殖性腫瘍(MPNs)では,JAK2V617F,JAK2 exon12,MPLW515,CALR exon9といった造血因子受容体のシグナルを活性化するドライバー変異が疾患特異的にみられ,診断に必須である.JAK2V617F変異は血栓症リスク因子,CALR変異は予後良好因子としても活用されている.クローン性造血(CH)のドライバー変異として知られるTET2,DNMT3A,IDH1/2,ASXL1,EZH2などのエピゲノム調節分子や,U2AF1,SRSF2,SF3B1などのRNAスプライシング制御分子の変異は,MPNsにおいて動脈血栓症,病態進展,生存のリスク因子である.変異情報を臨床情報と統合した新たなリスク層別化モデルが作成されており,今後は次世代シーケンサー(NGS)の臨床実装とともにその活用が進むであろう.
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