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第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
急性骨髄性白血病におけるゲノム異常と臨床的有用性
The clinical impact of the genomic analysis in acute myeloid leukemia
小野澤 真弘
1
Masahiro ONOZAWA
1
1北海道大学病院血液内科
キーワード:
がん遺伝子パネル検査(CGP)
,
次世代シークエンス
,
二次的所見
Keyword:
がん遺伝子パネル検査(CGP)
,
次世代シークエンス
,
二次的所見
pp.37-42
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010037
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急性骨髄性白血病(AML)では反復性の遺伝子変異によって規定される疾患名があり,診断段階から遺伝子検査が必須である.また,遺伝子変異プロファイルによる予後予測に基づいた治療選択により,個別化診療が可能となる.変異遺伝子は固形腫瘍とは異なり造血器腫瘍特異的なものが多く,造血器腫瘍遺伝子パネル検査の認可に伴い,国際的なガイドラインに基づいた診断,予後予測が可能となることが期待される.一方,これまで気づかれず診療されてきた家族性変異が同定された場合は,血縁ドナーの選択や未発症保因者のフォローについて配慮が必要である.また,FLT3-ITD変異,NPM1変異などの腫瘍特異的変異を測定可能病変(MRD)マーカーとして用いることで予後を層別化できることが報告されており,MRD解析が可能な検査開発も望まれる.TP53変異を伴うAMLは造血細胞移植を行ってもいまだ予後不良であり,新たな治療開発が望まれる.
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