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第1土曜特集 ゲノム解析時代の血液腫瘍学
生殖細胞系列素因を伴う骨髄系腫瘍におけるゲノム異常と臨床的有用性
Genomic abnormality and clinical utility for myeloid neoplasms with predisposition
遠矢 嵩
1
Takashi TOYA
1
1がん・感染症センター都立駒込病院血液内科
キーワード:
生殖細胞系列素因
,
胚細胞遺伝子変異
,
家族性骨髄系腫瘍
,
遺伝子変異解析
,
同種造血幹細胞移植
Keyword:
生殖細胞系列素因
,
胚細胞遺伝子変異
,
家族性骨髄系腫瘍
,
遺伝子変異解析
,
同種造血幹細胞移植
pp.31-36
発行日 2025年1月4日
Published Date 2025/1/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292010031
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家族性造血器腫瘍の存在は19世紀から報告されていたが,原因は長らく不明で非常にまれな病態と考えられていた.20世紀末のRUNX1胚細胞変異の発見以降,近年の遺伝子変異解析技術の発展などにより,胚細胞遺伝子変異を有する造血器腫瘍は以前想定されていたよりも高頻度かつ多彩であることが明らかとなり,2016年のWHO分類改訂第4版では,生殖細胞系列素因を伴う骨髄系腫瘍のカテゴリーが新たに設けられた.しかし,適切な診断方法や診療方針については依然として不明な点が多く,特に移植が検討される症例については適切な移植方法や血縁ドナーの胚細胞変異の検索も含め課題も多い.本稿では,それぞれの胚細胞遺伝子変異による臨床的特徴の違いにも触れつつ,現状でわかっていることや今後の課題について概説する.
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