Japanese
English
連載 遺伝カウンセリング――その価値と今後・Vol.3
ゲノム情報の特性を考慮した遺伝カウンセリング
Genetic counseling taking into account the characteristics of genomic information
佐藤 智佳
1
Chika SATOU
1
1関西医科大学附属病院臨床遺伝センター,同産科婦人科学講座
キーワード:
ゲノミクス
,
次世代シークエンス
,
あいまい性
,
多様性
,
臨床的有用性
Keyword:
ゲノミクス
,
次世代シークエンス
,
あいまい性
,
多様性
,
臨床的有用性
pp.228-233
発行日 2023年10月21日
Published Date 2023/10/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28703228
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◎遺伝子解析技術のめざましい進歩により,ゲノム解析が一般的になりつつあり,遺伝カウンセリングで扱うゲノム情報量は増大している.ゲノム情報には一塩基多型,コピー数多型,構造多型などの多様性があり,さらに表現型にはエピジェネティック修飾やさまざまな環境要因が影響している.そのため,ゲノム解析データの解釈において,不確実性やあいまい性を伴うデータが検出される頻度も高くなる.遺伝カウンセリングの本質は,これまでと何ら変わりないが,ゲノム情報時代の遺伝カウンセリングでは,解析結果の解釈が困難な場合があることを十分に想定した情報の提供を行い,ゲノムデータにあわせて臨床所見や家族歴を考慮した健康管理を検討し,将来に備えることが重要である.ゲノム情報の多様性の理解において,遺伝カウンセリングが果たす役割は大きい.
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