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第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
細胞外小胞を用いた創薬開発
アディポネクチンの細胞外小胞量調節を介した新たな作用機構
Adiponectin actions via regulation of extracellular vesicle concentrations
長尾 博文
1,2
,
藤島 裕也
1
,
下村 伊一郎
1
Hirofumi NAGAO
1,2
,
Yuya FUJISHIMA
1
,
Iichiro SHIMOMURA
1
1大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学
2同代謝血管学寄附講座
キーワード:
エクソソーム
,
アディポネクチン
,
T-カドヘリン
,
肥満
,
心血管疾患
Keyword:
エクソソーム
,
アディポネクチン
,
T-カドヘリン
,
肥満
,
心血管疾患
pp.803-808
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090803
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肥満・内臓脂肪蓄積は,糖尿病,高血圧症,脂質異常症などを惹起し,動脈硬化性心血管疾患へとつながる.アディポネクチンは脂肪細胞から特異的に分泌され,血中に豊富に存在するが,肥満・内臓脂肪蓄積症例ではその濃度が低下する.低アディポネクチン血症が,心血管疾患を含むさまざまな疾患の発症に関連することが,これまでの臨床的知見により明らかとなっている.最近の研究で,アディポネクチンはT-カドヘリンと結合することにより各組織に蓄積することが明らかになった.アディポネクチン/T-カドヘリン複合体はエクソソームの生合成と分泌を促進し,特に血管系における細胞恒常性維持と組織保護に寄与すると考えられる.本稿では,アディポネクチンのT-カドヘリンを介した作用機構と細胞外小胞(エクソソーム)産生調節について最新の知見を紹介する.
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