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第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
細胞外小胞を用いた創薬開発
植物由来小胞を担体とした新規DDS開発
Development of novel drug delivery systems utilizing plant-derived nanovesicles
梅津 知宏
1
,
黒田 雅彦
1
Tomohiro UMEZU
1
,
Masahiko KURODA
1
1東京医科大学分子病理学分野
キーワード:
ドラッグデリバリーシステム(DDS)
,
植物由来エクソソーム
,
経口投与薬
,
アセロラ
Keyword:
ドラッグデリバリーシステム(DDS)
,
植物由来エクソソーム
,
経口投与薬
,
アセロラ
pp.797-802
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090797
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植物由来のエクソソーム・細胞外小胞(EVs)は,その安全性と天然ナノキャリアとしての特性から,新規ドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリアとして注目されている.特に食用植物由来の小胞は生理活性成分を含み,消化酵素にも耐性を示すことから,経口投与薬としても有望である.筆者らの研究グループは,アセロラ果汁由来のエクソソーム様小胞(AELN)が,siRNA(small interfering RNA)やmiRNA(microRNA)などの核酸薬と複合体を形成し,これらをマウスに経口投与すると,AELNが核酸薬を保護して肝臓を含む標的臓器まで効果的に送達することを見出した.現状の課題としては,植物由来EVsの規格化,標的指向性の向上,保存安定性の確保があげられる.これらの課題を克服し,植物由来EVsの特性を最大限に活用することで,医療に革新的な治療法が提供されることが期待される.
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