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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
基礎研究
アディポネクチン受容体作動薬
Adiponectin receptor agonists
岩部 美紀
1
,
岩部 真人
1
,
山内 敏正
1
Miki OKADA-IWABU
1
,
Masato IWABU
1
,
Toshimasa YAMAUCHI
1
1東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科
キーワード:
糖尿病
,
肥満
,
アディポネクチン
,
アディポネクチン受容体(AdipoR)
,
健康長寿
Keyword:
糖尿病
,
肥満
,
アディポネクチン
,
アディポネクチン受容体(AdipoR)
,
健康長寿
pp.425-429
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605425
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糖尿病の患者数は,世界的に激増の一途をたどっており,大きな社会問題となっている.国際糖尿病連合の発表によると,2019年現在の世界の糖尿病有病者数は,4億6,300万人に上る.糖尿病患者急増という実態を受け,肥満,インスリン抵抗性,糖尿病,さらには合併症の原因解明とそれに立脚した根本的予防法や治療法の確立が重要かつ急務である.肥満に伴って,脂肪細胞から分泌される生理活性物質アディポネクチンが低下し,全身でのアディポネクチンとその受容体AdipoRの作用低下が,生活習慣病激増の主要な原因となっている.AdipoRの活性化は,カロリー制限や運動を模倣する効果を発揮し,糖・脂質代謝改善作用に加え,寿命延長効果も持つ.筆者らは,AdipoR受容体作動薬のシーズとなる低分子化合物の取得に成功し,AdipoRを標的にした構造ベース創薬を進めている.AdipoR経路の活性化が,肥満・2型糖尿病治療のみならず,健康長寿の実現につながる可能性を期待したい.
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