Japanese
English
第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
疾患における細胞外小胞研究
脳疾患・パーキンソン病における細胞外小胞
Extracellular vesicles in brain disorders and Parkinson’s disease
石黒 雄太
1
,
常深 泰司
1
,
服部 信孝
1
Yuta ISHIGURO
1
,
Taiji TSUNEMI
1
,
Nobutaka HATTORI
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 脳神経内科
キーワード:
細胞外小胞(EVs)
,
エクソソーム
,
パーキンソン病(PD)
,
αシヌクレイン(αSyn)
,
血液脳関門(BBB)
Keyword:
細胞外小胞(EVs)
,
エクソソーム
,
パーキンソン病(PD)
,
αシヌクレイン(αSyn)
,
血液脳関門(BBB)
pp.694-698
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090694
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
細胞外小胞(EVs)は,エクソソームやマイクロベシクル,アポトーシス小体などのサイズや起源が異なる小胞の総称である.特にエクソソームは,細胞外物質を取り込む機構のひとつであるエンドサイトーシスにより形成される.まず初期エンドソームが形成され,後期エンドソームへと移行する過程で外膜が内側にくびれて腔内膜小胞(intraluminal vesicle:ILV)が形成される.成熟した後期エンドソームはILVを多く含むため,多胞性エンドソーム(MVB)とよばれる.MVBはライソゾームと結合すると内包するILVは分解されるが,細胞膜と融合するとILVが細胞外に放出されエクソソームとなる.このようにエクソソームは元来,細胞内小胞であるので細胞内のさまざまな物質を含んでいる.起源となる細胞により異なるタンパク質,核酸を運搬し,細胞間情報伝達系として機能する1).近年,さまざまな疾患の病態形成に関与していることが判明し,疾患バイオマーカーやDDSへの応用から創薬の対象となっている.本稿では,EVsと脳疾患の関連,特にパーキンソン病(PD)との関連について最新の知見を概説する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.