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第1土曜特集 腸内フローラの研究進展と臨床応用
治療への応用
新しいステージに入った多発性硬化症の細菌叢研究
New stage for microbiome research into the pathogenesis of multiple sclerosis
山村 隆
1
,
竹脇 大貴
1
Takashi YAMAMURA
1
,
Daiki TAKEWAKI
1
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部
キーワード:
多発性硬化症(MS)
,
腸内細菌叢
,
メタゲノム解析
,
ロングリード解析
,
二次進行型MS(SPMS)
Keyword:
多発性硬化症(MS)
,
腸内細菌叢
,
メタゲノム解析
,
ロングリード解析
,
二次進行型MS(SPMS)
pp.395-398
発行日 2024年11月2日
Published Date 2024/11/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291050395
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自己免疫性中枢神経疾患である多発性硬化症(MS)では,腸内細菌叢の構造異常(dysbiosis)や短鎖脂肪酸(SCFA)産生菌の減少が確認され,それらを矯正する予防・治療の戦略が議論されている.研究手法としては,初期の16S配列解析(16S rRNA解析)を経て分子ネットワークの異常に迫るマルチオミクス解析が普及し,得られる情報は膨大なものになった.しかし,最近の長鎖型メタゲノム解析技術(long-read metagenomics)は,腸内細菌の株(strain)レベルの解析まで可能にし,研究は新しいステージに突入した.筆者らは最近,この技術の進歩に支えられ,二次進行型MS(SPMS)の発症に関連する新たな菌株(Tyzzerella nexilis B株)の発見に至った.
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