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English
特集 治る,予防できる脳神経疾患――現状と将来
多発性硬化症と視神経脊髄炎関連疾患の治療
-――現状と将来
Current and future treatment approaches for multiple sclerosis and neuromyelitis optica spectrum disorders
茂木 晴彦
1,2
,
北川 賢
1
,
中原 仁
1
Haruhiko MOTEGI
1,2
,
Satoshi KITAGAWA
1
,
Jin NAKAHARA
1
1慶應義塾大学医学部神経内科
2東京慈恵会医科大学内科学講座脳神経内科
キーワード:
多発性硬化症(MS)
,
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)
,
early high efficacy therapy(eHET)
,
バイオマーカー
,
silent progression
Keyword:
多発性硬化症(MS)
,
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)
,
early high efficacy therapy(eHET)
,
バイオマーカー
,
silent progression
pp.885-891
発行日 2024年6月22日
Published Date 2024/6/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289120885
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多発性硬化症(MS)は中枢神経系を侵す原因不明の炎症性脱髄疾患である.かつては不治の病であったが,20世紀より多くの疾患修飾薬(DMTs)が登場し,わが国では8種類が処方可能である.昨今の治療戦略の進歩はめざましく,escalation strategyから予後不良因子に基づいたpersonalized approach,さらにはearly high efficacy therapy(eHET)へと大きく変化しつつある.他方,視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は,抗アクアポリン4(AQP4)抗体を病因とする中枢神経系に炎症をきたす自己免疫疾患である.近年,治療薬としてモノクローナル抗体製剤が相次いで承認され,わが国では5種類が使用可能である.生物学的製剤の台頭により,MS,NMOSDのunmet needsは確実に縮小しているが,病勢評価や進行抑制にはいまだ課題が存在する.今後,より正確なバイオマーカー,出口戦略の整備,新たなmode of actionの治療薬が求められている.
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