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第1土曜特集 腸内フローラの研究進展と臨床応用
治療への応用
循環器疾患と腸内細菌叢ならびに腸内細菌関連代謝物
Interaction between cardiovascular diseases and gut microbiota including their related metabolites
山下 智也
1
Tomoya YAMASHITA
1
1神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科先端医療学分野
キーワード:
動脈硬化
,
エンテロタイプ
,
バクテロイデス門菌
,
心不全
,
トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)
,
フェニルアセチルグルタミン(PAGln)
Keyword:
動脈硬化
,
エンテロタイプ
,
バクテロイデス門菌
,
心不全
,
トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)
,
フェニルアセチルグルタミン(PAGln)
pp.388-394
発行日 2024年11月2日
Published Date 2024/11/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291050388
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臨床・基礎研究によって,腸内細菌叢が免疫や代謝機能を介して宿主の生体機能の維持から疾患の発症にまで関与していることが明らかになってきた.筆者らは,循環器疾患と腸内細菌叢の関連調査を実施し,臨床エビデンスのなかから新たな腸内細菌への介入方法を探索する基礎研究も進めている.Bacteroides vulgatusとBacteroides doreiの2菌種は冠動脈疾患患者で減少しており,その菌をマウスに経口投与すると動脈硬化や肥満が抑制されたため,抗炎症作用が想定できた.循環器領域では,腸内細菌代謝物としてトリメチルアミンN-オキシド(TMAO)やフェニルアセチルグルタミン(PAGln)の心血管イベント増加への関与が想定され,治療標的としても注目されている.本稿では,心不全を含む循環器疾患と腸内細菌叢ならびに腸内細菌関連代謝物との関係について,これまでの報告を紹介しながら概説したい.
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