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第1土曜特集 腸内フローラの研究進展と臨床応用
治療への応用
過敏性腸症候群と腸内細菌
Irritable bowel syndrome and gut microbiota
福土 審
1,2
Shin FUKUDO
1,2
1石巻赤十字病院心療内科
2東北大学先端量子ビーム科学研究センター
キーワード:
過敏性腸症候群(IBS)
,
脳腸相関
,
腸内細菌
,
介入研究
Keyword:
過敏性腸症候群(IBS)
,
脳腸相関
,
腸内細菌
,
介入研究
pp.399-404
発行日 2024年11月2日
Published Date 2024/11/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291050399
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過敏性腸症候群(IBS)は現在,腸脳相関病(DGBI)に分類され,中枢神経と消化管のシグナル伝達,すなわち脳腸相関が病因・病態の中心を占めると考えられている.IBSはこの過程に腸内細菌が重要な役割を果たしている代表的な症候群である.そのなかで,一般人が感染性腸炎に罹患した後で新規に発症するIBSは感染性腸炎後IBSとよばれており,IBSにおける腸内細菌の役割を証明している.IBS患者では腸内細菌そのものの構成が健常人とは異なっている.IBS患者の腸内細菌の異常と神経伝達物質の異常が相互に関係する報告が増加している.また腸内細菌は代謝,粘膜透過性,炎症,免疫,神経伝達を介して脳機能に影響すると考えられる.IBSに対して,腸内細菌の変容を図る介入研究が試みられており,IBSにおける腸内細菌のさらなる研究が期待される.
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