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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
甲状腺
甲状腺眼症の現状と展望
Current consensus and perspective of thyroid eye disease
山内 一郎
1
Ichiro YAMAUCHI
1
1京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学
キーワード:
甲状腺眼症
,
ステロイドパルス療法
,
インスリン様成長因子1(IGF-1)受容体阻害薬
,
甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体阻害薬
Keyword:
甲状腺眼症
,
ステロイドパルス療法
,
インスリン様成長因子1(IGF-1)受容体阻害薬
,
甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体阻害薬
pp.675-681
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090675
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バセドウ病の合併症としてもよく知られる甲状腺眼症は,視機能障害,眼症状,整容的異常により患者のQOLを著しく低下させる.内科と眼科にまたがる境界領域にあり,比較的希少でもあることからマネジメントは容易ではない.本稿では現行の診断基準と治療指針について,確立するまでの経緯と内容のエッセンスを紹介する.加えて,次々と開発が進む以下の新薬について概説する.インスリン様成長因子1(IGF-1)受容体阻害薬が最も先行しており,阻害抗体であるteprotumumabはすでに国内第Ⅲ相試験が完了している.長年望まれてきた甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体阻害薬であるが,阻害抗体であるK1-70が臨床応用に近づいている.IL-6受容体阻害薬,胎児性Fc受容体阻害薬は,国際共同第Ⅲ相試験が現在実施中である.従来治療に新薬が加わることで,甲状腺眼症の診療は間違いなく変革するであろう.現状をまとめた本稿が,今後の議論の一助になれば幸いである.
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