特集 甲状腺眼症
3 甲状腺眼症に対する斜視手術
望月 嘉人
1
1兵庫医科大学眼科学教室
キーワード:
甲状腺眼症
,
斜視手術
,
複視
,
拘縮性眼球運動障害
Keyword:
甲状腺眼症
,
斜視手術
,
複視
,
拘縮性眼球運動障害
pp.617-622
発行日 2023年7月5日
Published Date 2023/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003184
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甲状腺眼症は眼窩内組織のTSH受容体や外眼筋抗原などに対する自己免疫機序によりMüller筋,上眼瞼挙筋,外眼筋,脂肪組織,涙腺に炎症をきたし,眼球突出,上眼瞼後退症,涙液分泌低下症などが生じる眼窩炎症性疾患である。甲状腺眼症で生じる眼球突出,瞼裂開大(Dalrymple徴候),下方視での上眼瞼遅動(Graefe徴候),拘縮性眼球運動障害によって,斜視がより整容的に目立ち,患者にとって精神的な苦痛を伴う1)。甲状腺眼症に対する斜視手術は,眼位の矯正により患者のQOV(quality of vision)だけでなく,QOL(quality of life)の改善も得られる極めて有効な治療法と考えられる。
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