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特集 神経眼科の最前線
甲状腺眼症の外科治療の進歩
-――眼窩減圧術
Progress of orbital decompression surgery
三村 真士
1
Masashi MIMURA
1
1オキュロフェイシャルクリニック大阪
キーワード:
甲状腺機能異常
,
甲状腺眼症
,
眼窩減圧術
Keyword:
甲状腺機能異常
,
甲状腺眼症
,
眼窩減圧術
pp.810-814
発行日 2023年3月11日
Published Date 2023/3/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28410810
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甲状腺眼症は,眼窩内および眼窩周囲の軟部組織に炎症を起こし,眼球突出,眼瞼後退,眼球運動障害を呈する.その結果,圧迫性視神経症,兎眼症に伴う角膜障害,斜視による複視といった視機能の異常のみならず,上下眼瞼の腫脹,眼位の異常といった整容的な醜形をきたす.本疾患は20~50歳代の働き盛りの年代に好発し,女性に多い疾患であることも重なって,視機能障害,醜形ともに患者のquality of life(QOL)を大きく低下させる.このような病態を引き起こす原因として,眼窩内軟部組織の肥大による眼球突出が最も重要であり,これを治療する効果的な方法は現在のところ眼窩減圧術しかない.眼窩減圧術には,脂肪を減量する脂肪減圧術と,眼窩骨の切削により眼窩腔を拡大する骨減圧術の2つがある.歴史的に,眼窩減圧術は合併症の多い危険な手術という認識であったが,近年の技術発達により,安全性と治療成績は格段に向上している.
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