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第1土曜特集 乳癌のすべて2024
最新の治療
乳癌脳転移のマネジメント
Treatment strategy for breast cancer brain metastasis
新倉 直樹
1
Naoki NIIKURA
1
1東海大学医学部乳腺・腫瘍科
キーワード:
脳転移
,
髄膜転移
,
進行・再発乳癌
Keyword:
脳転移
,
髄膜転移
,
進行・再発乳癌
pp.408-413
発行日 2024年8月3日
Published Date 2024/8/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290050408
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乳癌における脳転移は骨転移,肺転移,肝転移よりも頻度は少ないが,脳転移の予後は不良であり,脳転移により神経学的症状が出現し,QOLが低下する.近年,脳転移は増加傾向であり,マネジメントが必要である.乳癌脳転移発症後の最も強い予後因子が乳癌のサブタイプである.その他の因子としてPS(Performance Status),KPS(Karnofsky Performance Status),年齢がある.現状では,乳癌脳転移が発見された際の初回治療は手術や放射線治療などの局所治療が推奨される.HER2陽性乳癌ではトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)やtucatinibなど脳転移に効果の高い薬剤が開発され,無症候性の脳転移であれば薬物療法を先行することも治療オプションのひとつとなってきた.しかし,HER2陰性乳癌に対してはまだまだ効果が高い薬物治療は存在せず,難治性である.T-DXdは髄膜転移にも効果が示されている.本稿では,乳癌脳転移の臨床経過と治療についてアルゴリズムを示し,文献的考察を含め述べる.
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