Japanese
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臨床報告
全脳放射線照射が奏効した食道癌多発脳転移の1例
Effective whole-brain radiotherapy in multiple brain tumors metastasizing from esophageal cancer
久保 秀文
1
,
来嶋 大樹
1
,
多田 耕輔
1
,
宮原 誠
1
,
長谷川 博康
1
Hidefumi KUBO
1
1社会保険徳山中央病院外科
キーワード:
食道癌
,
脳転移
,
全脳放射線照射
Keyword:
食道癌
,
脳転移
,
全脳放射線照射
pp.1595-1600
発行日 2010年11月20日
Published Date 2010/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103334
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要旨:食道癌の脳転移は比較的稀であり,その治療成績は一般に不良である.今回われわれは,切除不能であるため全身化学療法を投与し,いったん完全寛解を得たものの,その後,多発脳転移をきたした進行食道癌の1例を経験した.多発脳転移に対して全脳放射線照射を行い奏効したので,文献的な考察を加えて報告する.患者は65歳,男性で,嚥下困難で受診した.精査で胸部中部食道に3型腫瘍を認め,生検の病理組織学的検査で扁平上皮癌と診断された.CTで多発リンパ節転移と多発肝転移を認めたため化学療法を施行し,いったんはこれらの転移病変の消失を認めた.その後,全身痙攣発作が出現し,緊急再入院した.脳MRIで多発性の脳転移が疑われたため全脳放射線照射を行い,脳転移巣の長径の総和の減少を認め,著効が得られた.その後,脳転移以外のほかの全身病変の急速な増悪をきたして再入院となった.現在,入院下に化学療法を行って経過観察中である.
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