Japanese
English
症例報告
脳転移を生じた乳房外Paget病の1例
A case of extramammary Paget's disease with brain metastases
金子 ゆき
1
,
塚田 鏡寿
1
,
池上 徹栄
1
,
金井 美馬
1
,
山内 瑛
1
,
小池 真美
1
,
西川 聡一
1
,
鈴木 利宏
1
,
濱﨑 洋一郎
1
,
井川 健
1
Yuki KANEKO
1
,
Kyoju TSUKADA
1
,
Tetsuharu IKEGAMI
1
,
Miuma KANAI
1
,
Akira YAMAUCHI
1
,
Masami KOIKE
1
,
Soichi NISHIKAWA
1
,
Toshihiro SUZUKI
1
,
Yoichiro HAMASAKI
1
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University Hospital, Tochigi, Japan
キーワード:
乳房外Paget病
,
脳転移
,
リンパ行性転移
,
ドセタキセル
,
カルボプラチン
Keyword:
乳房外Paget病
,
脳転移
,
リンパ行性転移
,
ドセタキセル
,
カルボプラチン
pp.701-706
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206452
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 72歳,女性.外陰部乳房外Paget病(T4N0M0 stage Ⅲ)に対し拡大切除,分層網状植皮術を施行した.術後約半年で右鼠径リンパ節転移を生じ,郭清術を施行するも多発リンパ節転移が出現した.ドセタキセル・カルボプラチン併用療法を計6回施行し標的病変の完全奏効を得たが,直後に多発脳転移が出現した.転移巣は脳実質よりも大脳皮質表面の脳溝周囲優位に存在しており,癌性髄膜炎を併発したことから腫瘍細胞がリンパ行性に播種したと考えた.全脳照射にて一時奏効するも初診より約1年半で永眠した.脳転移は他の遠隔転移と比較し予後不良であり有効な治療法も確立されていない.乳房外Paget病の術後経過観察に関する明確な指針は存在していないが,所属リンパ節を越えた転移を有する患者には脳転移発症の可能性があり,身体診察やCTなどの画像検索に加えて頭部MRIによる評価を検討すべきである.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.