Japanese
English
第1土曜特集 乳癌のすべて2024
最新の治療
転移乳癌に対する局所治療
Local therapy for metastatic breast cancer
枝園 忠彦
1
Tadahiko SHIEN
1
1岡山大学病院乳腺・内分泌外科
キーワード:
転移乳癌
,
de-novo stage Ⅳ
,
oligometastasis
,
局所治療
Keyword:
転移乳癌
,
de-novo stage Ⅳ
,
oligometastasis
,
局所治療
pp.403-407
発行日 2024年8月3日
Published Date 2024/8/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290050403
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
元来,転移乳癌は全身病で,完治は極めて困難であり,目標は延命と症状緩和といわれてきた.しかし,近年の医療の進歩により転移乳癌の予後はどんどん延長している.その変化のなかで,これまで転移乳癌治療ではあまり用いられなかった局所療法の意義が議論されるようになった.世界でさまざまな前向き試験が行われているなかで,de-novo stage Ⅳ乳癌に対する原発巣切除の意義については,5つの前向き試験の結果が出揃った.その結果は,原発巣切除はde-novo stage Ⅳ乳癌の生存期間を延ばすことはないという結果であった.しかし,局所の状態は有意に維持できること,そしてde-novo stage Ⅳ乳癌の一部には,原発巣切除により予後改善が認められる患者が存在しそうであることがわかった.また,oligometastasisに対する局所療法の意義に関しては今まさに多くの前向き試験が行われており,結果が待たれる.その結果によっては,検査を含めた乳癌治療の大きな考え方の転換を呼び起こす可能性がある.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.