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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管の形成と制御因子
血管壁細胞の分化決定メカニズム
Mechanisms of vascular mural cell development
栗原 裕基
1,2
,
岩瀬 晃康
1
Hiroki KURIHARA
1,2
,
Akiyasu IWASE
1
1東京大学アイソトープ総合センター
2熊本大学国際先端医学研究機構
キーワード:
壁細胞
,
血管平滑筋細胞
,
ペリサイト
,
神経堤細胞
,
中胚葉
,
細胞間相互作用
Keyword:
壁細胞
,
血管平滑筋細胞
,
ペリサイト
,
神経堤細胞
,
中胚葉
,
細胞間相互作用
pp.939-942
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289130939
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壁細胞は平滑筋と周皮細胞(ペリサイト)からなり,それぞれ領域や灌流組織・器官によって異なる形態や機能を持つ多様な細胞集団である.その由来も外胚葉由来の神経堤,咽頭中胚葉,体節,臓側中胚葉,心外膜前駆組織とさまざまで,形態・機能の多様性とも関連している.平滑筋細胞の分化決定においてはmyocardinとその関連因子が転写コアクチベータとして,それぞれ血清応答因子(SRF)あるいはSMADなどの転写因子に結合して機能するが,主として働くファミリーメンバーは神経堤と中胚葉の由来に応じて異なる.血管壁細胞の分化決定から成熟に至る過程には,これらの転写因子の作用とともに内皮細胞と壁細胞のクロストークが重要であり,PDGF(platelet-derived growth factor),TGF(transforming growth factor)-β,Notch,エンドセリン(ET)など,さまざまなシグナルが働くことによって領域の特異性に応じた血管系が構築される.
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