Japanese
English
特集 治る,予防できる脳神経疾患――現状と将来
疾患修飾薬による新しい認知症治療法と予防介入
Therapeutics and prevention by use of disease-modifying drugs for dementia
池内 健
1
Takeshi IKEUCHI
1
1新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター
キーワード:
疾患修飾薬
,
抗アミロイドβ(Aβ)抗体
,
アルツハイマー病(AD)
,
プレクリニカル期
,
バイオマーカー
,
先制医療
Keyword:
疾患修飾薬
,
抗アミロイドβ(Aβ)抗体
,
アルツハイマー病(AD)
,
プレクリニカル期
,
バイオマーカー
,
先制医療
pp.868-873
発行日 2024年6月22日
Published Date 2024/6/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289120868
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早期アルツハイマー病(AD)を対象に抗アミロイドβ(Aβ)抗体薬レカネマブが実臨床に導入されはじめ,わが国の認知症医療は新たな時代を迎えた.今までの抗認知症薬と異なり,病気の原因に直接作用し,症状の進行抑制効果を示したレカネマブは,認知症治療のマイルストーンとなった.認知症新薬の臨床実装は,認知症診断体系にも影響を及ぼしている.背景病理を加味した認知症診断の重要性が増し,抗Aβ抗体薬の治療要否を判断するための検査として,脳脊髄液Aβ検査とアミロイドPET撮像が保険収載された.また,バイオマーカー検査によりプレクリニカル期に脳内病理を精度高く推察できるようになった.ADは症状が出現する前から脳内病理が潜在性に進行しており,発症前に予防介入を行う先制医療の可能性がADに対して探索されている.本稿では,“治る,予防できる認知症” としてのADについて概説する.
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