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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
臨床・治療薬
実臨床におけるアルツハイマー病疾患修飾薬導入の課題
-――レカネマブを中心に
Emerging issues of disease modifying therapy installation for Alzheimer disease in clinical practice
――Focusing on lecanemab
吉山 容正
1
Yasumasa YOSHIYAMA
1
1稲毛神経内科・メモリークリニック
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
疾患修飾薬
,
アミロイド抗体薬
,
レカネマブ
,
アミロイド関連画像異常(ARIA)
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
疾患修飾薬
,
アミロイド抗体薬
,
レカネマブ
,
アミロイド関連画像異常(ARIA)
pp.1047-1052
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131047
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レカネマブがアルツハイマー病(AD)疾患修飾薬としてわが国においてはじめて承認されたことで,実臨床における軽症ADの治療体系が大きく変化すると考えられる.しかし,現時点ではその薬効の評価,患者選択,副作用への対応など,いくつもの課題が残されている.特にアミロイド抗体薬治療経過において同薬剤の特異な副作用であるアミロイド関連画像異常(ARIA)の適切な評価と対応は重要である.画像所見の読影,重症ARIAやARIAに関連する脳出血の対応が可能な地域医療連携の構築が必要になる.また本薬は,いままで治療薬が存在しなかった軽度認知障害(MCI)に対して適応を持つはじめての薬剤である.これにより,今まで薬剤治療の対象外であったMCI患者が治療対象として医療機関を受診する,あるいは積極的に受診が推奨されることになる.しかし,適応条件を満たす患者はその一部であり,患者選択を含めた対応は専門医だけでは困難であり,一般診療現場から専門医への適切な選択,誘導が必要になる.
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