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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
バイオマーカーとゲノム
疾患修飾薬時代のAPOE遺伝学的検査の臨床的意義
Clinical implementation of APOE genotype information in disease-modifying therapy era
池内 健
1
Takeshi IKEUCHI
1
1新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター
キーワード:
アポリポプロテインE遺伝子(APOE)
,
疾患修飾薬
,
アルツハイマー病(AD)
,
遺伝学的検査
,
アミロイド関連血管異常(ARIA)
Keyword:
アポリポプロテインE遺伝子(APOE)
,
疾患修飾薬
,
アルツハイマー病(AD)
,
遺伝学的検査
,
アミロイド関連血管異常(ARIA)
pp.937-941
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28713937
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アポリポタンパクE遺伝子(APOE)は,アルツハイマー病(AD)の発症リスクに関与する感受性遺伝子である.ADに対する疾患修飾薬の実用化を見据え,AD診療におけるAPOE遺伝学的検査の意義が再考されている.抗アミロイドβ(Aβ)抗体の有害事象としてアミロイド関連血管異常(ARIA)がある.ARIAの発生頻度はAPOEε4ホモ接合体,ε4ヘテロ接合体,非ε4保持者の順に高い.特にε4ホモ接合体は他の遺伝型と比較して症候性ARIAを生じる可能性が高く,抗Aβ抗体薬の使用時には注意を要する.米国食品医薬品局(FDA)は抗Aβ抗体薬レカネマブを正式に承認した.その添付文書には,ARIAに関する注意喚起とともに,APOE遺伝学的検査の必要性が明記された.レカネマブはわが国でも最近,薬事承認を受けた.本稿ではAPOE遺伝学的検査の現状を整理し,疾患修飾薬時代におけるAPOE遺伝学的検査の臨床的意義を再考する.
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