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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
臨床・治療薬
アルツハイマー病疾患修飾薬概論と抗Aβ抗体医薬の実用化
Overview of disease-modifying therapy for Alzheimer’s disease and clinical implementation of anti-Aβ antibodies
栗原 正典
1
,
岩田 淳
1
Masanori KURIHARA
1
,
Atsushi IWATA
1
1東京都健康長寿医療センター脳神経内科,同認知症未来社会創造センター
キーワード:
疾患修飾薬(DMT)
,
抗アミロイドβ(Aβ)抗体
,
レカネマブ
,
ドナネマブ
,
抗体療法
,
受動免疫
,
社会実装
Keyword:
疾患修飾薬(DMT)
,
抗アミロイドβ(Aβ)抗体
,
レカネマブ
,
ドナネマブ
,
抗体療法
,
受動免疫
,
社会実装
pp.1031-1037
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131031
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アルツハイマー病(AD)の脳内に蓄積する凝集タンパク質に直接作用し,疾患の進行自体を遅らせる疾患修飾薬(DMT)の開発が行われてきたが,長年有用性が証明され承認された薬剤はなく,臨床現場では認知症になってからの対症療法に限られていた.2022年にレカネマブが第Ⅲ相試験ではじめて主要評価項目での有意差を確認し,その後,2023年にはドナネマブでも有意差が確認された.レカネマブは米国食品医薬品局(FDA)から本承認を受け公的保険が適用され,わが国でも2023年9月に承認された.今後,臨床現場での使用が開始される可能性が高い.社会実装にはこれまでの診療とは異なり,早期の軽度認知障害(MCI)期からADをバイオマーカー診断する体制や,静脈注射の医療提供体制およびアミロイド関連画像異常(ARIA)評価体制の準備が必要である.
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