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第1土曜特集 リンパ腫――病態研究と診療の最新知見
診断の進歩
リンパ腫エキスパートパネルのあり方とシミュレーション
How to proceed expert panel in precision medicine of malignant lymphomas
遠西 大輔
1
Daisuke ENNISHI
1
1岡山大学病院ゲノム医療総合推進センター
キーワード:
エキスパートパネル
,
遺伝子パネル検査
,
個別化医療
,
悪性リンパ腫
Keyword:
エキスパートパネル
,
遺伝子パネル検査
,
個別化医療
,
悪性リンパ腫
pp.649-653
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289090649
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次世代シークエンサーなどテクノロジーの進歩により,がんの発生・進展に特に強く関わるドライバー遺伝子を特定し,その遺伝子を標的とした最適な治療を提示する,がんプレシジョン・メディシン(遺伝子に基づく個別化治療)が実臨床に導入されている.固形腫瘍の分野では,2019年6月に2つの遺伝子パネル検査が保険承認され,がんの個別化医療が急速に進んでいる.しかし,造血器腫瘍では遺伝子変異プロファイルが固形腫瘍のそれとは大きく異なるという生物学的特徴から,現在使用されるがん遺伝子パネルでは十分な遺伝子プロファイルが得られないため,がん遺伝子パネル検査の対象疾患となっていない.そのため,がんゲノム医療の実装は遅れており,パネル開発からがんゲノム医療の実施過程の整備が急務である.なかでも,得られたゲノム変異の情報から治療薬の提案を行うエキスパートパネルは,固形腫瘍におけるがんゲノム医療の中心的な役割を果たす一方で,実施する施設による判断の差異や,医療者にかかる負担が大きいことなど課題が多い.本稿では,造血器腫瘍,特に悪性リンパ腫における遺伝子パネル検査の現状を紹介し,将来的なエキスパートパネルで想定される,ゲノム異常に基づく診断や予後の層別化の基本的知識を整理したい.
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