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特集 造血器腫瘍の遺伝子パネル検査の臨床的意義――診断精度向上,予後層別化,個別化治療への応用
【総論】
造血器腫瘍ゲノム医療におけるエキスパートパネルのあり方
How to perform molecular tumor board based on the genetic profiling test
遠西 大輔
1
Daisuke ENNISHI
1
1岡山大学病院ゲノム医療総合推進センター
キーワード:
造血器腫瘍
,
がんゲノム医療
,
エキスパートパネル
,
がん遺伝子パネル検査
Keyword:
造血器腫瘍
,
がんゲノム医療
,
エキスパートパネル
,
がん遺伝子パネル検査
pp.1126-1128
発行日 2025年6月21日
Published Date 2025/6/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293121126
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造血器腫瘍においてもがん遺伝子パネル検査が保険承認され,造血器腫瘍のがんゲノム医療がはじまるなかで,エキスパートパネルのあり方が課題になっている.エキスパートパネルは,がん遺伝子パネル検査の結果を,ゲノム生物学・医療に精通した多職種の専門家により検討し,治療戦略を導く会議体である.固形腫瘍におけるエキスパートパネルが治療薬の選択のみの議論であったことに対し,造血器腫瘍では治療薬選択のみならず診断,予後予測など,幅広い議論を要することから,独自の検討事項,開催方式が想定される.また,エキスパートパネルの実施要件や症例数増加による医療者の負担増が固形腫瘍で大きな問題になるなかで,造血器腫瘍では同様の問題に加え,1症例にかかる検討時間の増加や生殖細胞系列バリアントの議論など,造血器腫瘍エキスパートパネル独自の課題が重なることが考えられ,スムーズなゲノム医療の導入に十分な準備が必要である.

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