Japanese
English
TOPICS 免疫学
制御性T細胞のmPGES-1/PGE2-EP4受容体経路を介した血管新生
Regulatory T cell in angiogenesis via mPGES-1/PGE2-EP4 signaling
天野 英樹
1
,
江島 耕二
2
Hideki AMANO
1
,
Koji ESHIMA
2
1北里大学医学部薬理学
2北里大学理学部生物科学科免疫学
pp.587-588
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289080587
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
飲食の欧米化や高齢化により虚血性心疾患や末梢動脈疾患の患者が増加している.これらの疾患に対し現在,経皮的動脈形成術やバイパス術などが確立されているが,なかには治療困難例があり,有効性の高い治療方法の開発が望まれている.血管新生療法はそのひとつである.血管新生は既存の血管から新生血管が形成される一連の生体反応で,虚血からの改善に必要不可欠である1).血管新生はVEGFやTGF-βを始めとする血管新生促進因子を含めさまざまな因子によって調節されている.プロスタグランジンE2(PGE2)もそのなかに含まれている.アラキドン酸代謝物のひとつであるPGE2は,炎症反応や腫瘍発生で誘導されたシクロオキシシゲナーゼ2(COX-2)や膜結合型PGE合成酵素-1(mPGES-1)で産生される.さまざまな病態モデルを用いてCOX-2/mPGES-1/PGE2が血管新生を促進することで創傷治癒,胃粘膜の修復,腫瘍の増殖,転移形成に深く関与している報告は散見されるが2-4),虚血改善効果に対しての報告例は意外と少ない.筆者らは①下肢虚血モデルでの虚血改善効果の過程にCOX-2/mPGES-1/PGE2経路が関与するのか? ②虚血筋組織周囲にどのような細胞が集積するのか? について明らかにしたのでそれらについて解説する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.