整形トピックス
変形性膝関節症滑膜組織におけるCOX-2/PGE2経路を介したカルシトニン遺伝子関連ペプチドシグナリングの制御と疼痛への関与
南谷 淳
1
,
内田 健太郎
1
,
髙相 晶士
1
1北里大学整形外科
pp.230-230
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_230
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変形性膝関節症(膝OA)のもっとも重要な症状は痛みである.膝OAの疼痛の機序に関してはいまだ解明されてはいない.膝OAの疼痛のメカニズムの研究として,近年膝OAの滑膜組織におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)の発現と疼痛との関連性が示唆されている1~7).
CGRPは37個のアミノ酸からなる神経ペプチドであり,receptor activity-modifying protein 1(RAMP1)とcalcitonin receptor-like receptor(CLR)のヘテロダイマーに結合して作用する8).股関節痛や膝関節痛にCGRPが関係しているという臨床報告があり1~7),OA患者の滑膜組織において,免疫組織染色でCGRP陽性細胞が確認された報告もある3,5).しかし,OA患者の滑膜組織における疼痛とCGRPの発現制御に関しては解明されてはいなかった.
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