特集 細胞核―構造と機能
6.核内受容体
核内受容体を介した化学物質の生体応答とその検出
斎藤 幸一
1
Koichi Saito
1
1住友化学株式会社 生物環境科学研究所
pp.484-485
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101220
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この20余年の間,核内受容体に関する研究が精力的に進められ,各種受容体の転写調節機構や構造などの解析が飛躍的に進展した。ヒトの核内受容体は48種類存在し,その中のステロイドホルモン受容体,甲状腺ホルモン受容体などは低分子化学物質をリガンドとする転写調節因子として知られている。近年,意図的に受容体を標的として作られた医薬品と違い,例えば内分泌撹乱化学物質のようなある種の化学物質群が偶発的に核内受容体のリガンドとなることが明らかになり,それらの生体への影響が懸念されている。現在,これら化学物質の検出,評価にはこれまでの核内受容体関連の基礎研究の成果が広く活用されている。
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