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特集 皮膚の悪性腫瘍――研究と診療の進歩
皮膚血管肉腫の治療
-――現在と今後の展望
Treatment of cutaneous angiosarcoma
――Present and the future perspectives
藤澤 康弘
1
Yasuhiro FUJISAWA
1
1愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
キーワード:
皮膚血管肉腫
,
治療
,
分子標的薬
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
Keyword:
皮膚血管肉腫
,
治療
,
分子標的薬
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
pp.502-506
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070502
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皮膚血管肉腫は大きく分けて,①高齢者の頭部に発生するもの,②リンパ浮腫に続発するもの,そして③放射線照射後に発生するものの3つの病型に大別されるが,全体の90%を高齢者の頭部に発生する病型が占めており,皮膚科医が遭遇する血管肉腫の大半がこの病型である1).血管肉腫は非常にまれで,わが国での集計では年間320人程度と推計されていることから2),外来診療で実際に遭遇することはほとんどない.しかし,進行が非常に早く,5年生存率は9%程度と報告されていることから1),早期に発見して治療に結びつけることが重要である.興味深いことに,第112回,115回および116回の医師国家試験に皮膚血管肉腫の症例問題が立て続けに出題されている.血管肉腫を長くやってきた筆者は「まさか」と思ったが,これは皮膚科以外の医師であってもこの疾患についての基礎知識をもってもらうことで早期発見につなげたいという出題者の意向があるのかもしれない.話がそれたが,本稿では皮膚血管肉腫の治療について解説したい.
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