特集 どんと来い,肺がん診療―それぞれの立場で患者を支えるために
[Chapter 1] 肺がんup to date:どんと来い,最新の診断と治療
小細胞肺がんの治療
清水 理光
1
,
峯岸 裕司
1
1三井記念病院 呼吸器内科
キーワード:
限局型小細胞肺がん(LD-SCLC)
,
地固め療法
,
進展型小細胞肺がん(ED-SCLC)
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
Keyword:
限局型小細胞肺がん(LD-SCLC)
,
地固め療法
,
進展型小細胞肺がん(ED-SCLC)
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
pp.224-228
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_224
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★★★小細胞肺がんは原発性肺がんの10~20%程度を占め,進行が早く予後不良のがんである.
★★限局型小細胞肺がん(LD-SCLC)の治療の第一選択は化学放射線療法であるが,とくにⅠ~ⅡA期のリンパ節転移がない症例は外科的治療+術後補助化学療法を行うことにより,良好な予後が示されており,積極的に考慮すべきである.
★★ⅡA期以上のLD-SCLCに対する同時化学放射線療法(cCRT)は,performance status(PS)0~2の症例において,cisplatin(CDDP)+etoposide(ETP)療法+加速過分割照射法(45Gy/30回/3週)が行われることが多い.
★cCRT後に進行のみられないLD-SCLCに対して,地固め療法としてdurvalumabを投与することで死亡率が27%低下することがADRIATIC試験で報告され,LD-SCLC治療の新たな選択肢となると考えられる.
★進展型小細胞肺がん(ED-SCLC)に対しては化学療法が標準治療となる.近年,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)併用化学療法の有効性が示されている.また,高齢者,合併症を有する患者,PS不良者に対しても適応が拡大してきている.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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