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特集 皮膚の悪性腫瘍――研究と診療の進歩
メルケル細胞癌の研究・臨床における進歩
Progress in Merkel cell carcinoma research and clinical practice
中村 元樹
1
Motoki NAKAMURA
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学
キーワード:
メルケル細胞癌(MCC)
,
メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCPyV)
,
免疫療法
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
癌免疫微小環境
Keyword:
メルケル細胞癌(MCC)
,
メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCPyV)
,
免疫療法
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
癌免疫微小環境
pp.507-513
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070507
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メルケル細胞癌(MCC)は非常にまれだが,悪性度の高い皮膚癌である.近年,メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCPyV)の発癌への関与が解明され,さらに遺伝子解析によりMCPyV陽性例と陰性例の間で遺伝子変異プロファイルが大きく異なることが明かになり,MCCの起源に対する議論がさらに過熱している.また臨床においては,2017年に免疫チェックポイント阻害薬(ICI)であるアベルマブが認可され,進行期の治療は大きく変化した.自然消退例の報告が多いことからもわかるように,MCCは抗腫瘍免疫に対する感受性の高い腫瘍であることが知られる.そのMCCにおける免疫療法の開始は,腫瘍免疫のメカニズムの解明,免疫関連バイオマーカー検索においても,有益な知見をもたらしている.
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