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特集 皮膚の悪性腫瘍――研究と診療の進歩
メラノーマにおける研究と診療の進歩
Progress in clinical practice and research for melanoma
猪爪 隆史
1
Takashi INOZUME
1
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
キーワード:
メラノーマ
,
ドライバー変異
,
分子標的薬
,
ネオ抗原
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
Keyword:
メラノーマ
,
ドライバー変異
,
分子標的薬
,
ネオ抗原
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
pp.481-485
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070481
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メラノーマは予後不良の皮膚悪性腫瘍であるが,低分子化合物であるBRAF(B-raf proto-oncogene serine/threonine kinase)/MEK(mitogen-activated protein kinase kinase)阻害薬と,がん免疫療法である抗PD-1(programmed cell death 1)抗体,抗CTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4)抗体の登場によって予後が劇的に改善した.これらの薬剤は基礎研究によって明らかにされたメラノーマの細胞生物学的および免疫学的な特徴に基づいて開発された.そのため,現状の重要課題である治療抵抗性の克服,効果増強と副作用の軽減,治療効率化とコスト削減を目的としたバイオマーカー同定などに取り組んでいくためには,臨床実践から得た問題点を整理しつつ,より深い細胞生物学的観点,免疫学的観点から検証していくことが重要と考えている.本稿ではメラノーマ医療を支える薬物療法の現状と今後の新規治療の開発状況について,背景となる基礎的観点とともに紹介する.
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