Japanese
English
特集 遺伝性尿細管疾患の最新知識
新生児偽性低アルドステロン症
Neonatal pseudohypoaldosteronism
中田 有紀
1
,
藤岡 一路
2
Yuki NAKATA
1
,
Kazumichi FUJIOKA
2
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
2同こども急性疾患学部門
キーワード:
新生児
,
偽性低アルドステロン症(PHA)
,
アルドステロン不応性
,
高カリウム血症
Keyword:
新生児
,
偽性低アルドステロン症(PHA)
,
アルドステロン不応性
,
高カリウム血症
pp.453-457
発行日 2024年5月11日
Published Date 2024/5/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289060453
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
偽性低アルドステロン症(PHA)は,アルドステロン分泌と腎糸球体機能は正常であるにもかかわらず,アルドステロンに対する応答が損なわれる疾患であり(アルドステロン不応性),新生児期に後発し,高カリウム血症の原因となりうる.Ⅰ型(PHA-1)とⅡ型(PHA-2)に分類され,PHA-1はさらに原発性,続発性に分けられる.原発性PHA-1は鉱質コルチコイド受容体(MR)をコードするNR3C2遺伝子変異に起因する腎型,アミロライド感受性上皮性Naチャネル(ENaC)をコードするSCNN1A,SCNN1B,SCNN1G遺伝子変異に起因する全身型からなる.続発性PHA-1は腎尿路奇形や尿路感染症を伴い,かつ原発性の責任遺伝子変異を持たないものとされる.また近年,原発性・続発性の概念に当てはまらないものの,生後早期に一過性にPHA-1の診断基準を満たす症例の存在が報告されている.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.