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特集 遺伝性尿細管疾患の最新知識
ミトコンドリア腎症に伴う尿細管機能障害/尿細管間質組織障害
Renal tubular dysfunction/tubulointerstitial injury associated with mitochondrial nephropathy
今澤 俊之
1
Toshiyuki IMASAWA
1
1国立病院機構千葉東病院腎臓内科
キーワード:
ミトコンドリア病
,
ミトコンドリア腎症
,
尿細管機能障害
,
尿細管間質組織障害
Keyword:
ミトコンドリア病
,
ミトコンドリア腎症
,
尿細管機能障害
,
尿細管間質組織障害
pp.448-452
発行日 2024年5月11日
Published Date 2024/5/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289060448
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ミトコンドリア腎症(mitochondrial nephropathy)とは,ミトコンドリアDNA(mtDNA)あるいは核DNA(nDNA)上の遺伝子の病的バリアントにより,腎臓を構成する細胞におけるミトコンドリア呼吸鎖(MRC)複合体の酸化的リン酸化(OXPHOS)が異常をきたすことにより発症する遺伝性腎疾患であると定義することができる.これまでの報告からも,ミトコンドリア腎症において尿細管性アシドーシス,ファンコニ症候群,ギテルマン症候群,バーター症候群などの尿細管機能障害や,尿細管間質線維化や尿細管間質性腎炎といった尿細管間質組織障害を引き起こすことが知られている.一方で,ミトコンドリア病に伴うさまざまな他臓器障害などに続発して発症する腎症,すなわち腎細胞におけるOXPHOSが遺伝的に障害されていなくても腎症が起きる場合もあることには注意を要する.ミトコンドリア腎症の治療にはまだエビデンスが不足しているが,さまざまなアプローチが検討されており,治療法の開発が期待されている.
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