特集 酸塩基平衡異常―基本と管理
各論 代謝性アシドーシスの病態と治療
偽性低アルドステロン症1型
奥田 雄介
1
OKUDA Yusuke
1
1北里大学医学部小児科学
pp.1099-1102
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001761
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はじめに
偽性低アルドステロン症1型(pseudohypoaldosteronism type 1:PHA1)は,尿細管のアルドステロンに対する反応性低下により発症する疾患で,塩類喪失に関連する症状を特徴とする。遺伝性と続発性に大別されるが,いずれも主に新生児期あるいは乳児期に発症する。遺伝性のPHA1は常染色体顕性遺伝形式と,常染色体潜性遺伝形式をとるものとがある。常染色体顕性遺伝のものはミネラルコルチコイド受容体の異常であり腎のみからの塩類喪失である一方,常染色体潜性遺伝のものはENaCの異常であり,腎のみでなく,腸管や皮膚などからも塩類喪失をきたし,より重症な経過をとる。続発性PHA1は閉塞性尿路疾患,尿路感染症,全身性エリテマトーデス(SLE)や間質性腎炎,腎移植後拒絶,種々の薬剤などが原因となって起こる。
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