症例
第2子に偽性低アルドステロン症を認め、第1子にも高レニン・高アルドステロン血症を認めた二絨毛膜二羊膜双胎例
市川 裕太
1
,
藤岡 一路
,
阿部 真也
,
芦名 満理子
,
福嶋 祥代
,
生田 寿彦
,
大山 正平
,
西田 浩輔
,
野津 寛大
,
飯島 一誠
1神戸大学 大学院医学研究科内科系学講座小児科学分野
キーワード:
Renin
,
高アルドステロン症
,
高カリウム血症
,
双生児の疾患
,
低ナトリウム血症
,
輸液療法
,
低アルドステロン症-偽性
,
高マグネシウム血症
,
二絨毛膜二羊膜性双胎
Keyword:
Hyperkalemia
,
Hyperaldosteronism
,
Hyponatremia
,
Renin
,
Pseudohypoaldosteronism
,
Diseases in Twins
pp.1675-1678
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020133921
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は在胎34週0日、二絨毛膜二羊膜双胎の第2子の女児で、仮死なく出生した。出生体重2000g、Apgarスコア7点/9点であった。多呼吸、陥没呼吸が持続し、早産、低出生体重、呼吸障害のため入院となった。呼気吸気変換方式気道陽圧法で呼吸管理、定型的管理を開始した。入院後初回の血液検査にて、高マグネシウム血症を認めたがナトリウム(Na)、カリウム(K)値は正常であった。精査のため提出した検査で、血中アルドステロン濃度5310pg/mL、レニン活性34.8ng/mL/時であり、低Na高K血症とあわせて偽性低アルドステロン症と診断した。出生直後の一過性にアルドステロン不応性を呈し、以降は無治療で自然軽快した経緯から、本症例は二次性にI型偽性低アルドステロン症の病態を呈するIII型(続発性)偽性低アルドステロン症と診断した。また、出生後同じく早産、低出生体重、呼吸障害のために入院となっていた第1子の男児については、血中アルドステロン濃度4720pg/mL、レニン活性>45ng/mL/時と高値を認めた。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.