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特集 遺伝性尿細管疾患の最新知識
ギッテルマン症候群,偽性バーター/ギッテルマン症候群
Gitelman syndrome, Pseudo-Bartter/Gitelman syndrome
近藤 淳
1
Atsushi KONDO
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
キーワード:
遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症
,
ギッテルマン症候群(GS)
,
偽性バーター/ギッテルマン症候群(PBS/PGS)
,
低カリウム血症
,
緩下剤
,
腎機能低下
Keyword:
遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症
,
ギッテルマン症候群(GS)
,
偽性バーター/ギッテルマン症候群(PBS/PGS)
,
低カリウム血症
,
緩下剤
,
腎機能低下
pp.427-431
発行日 2024年5月11日
Published Date 2024/5/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289060427
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ギッテルマン症候群(GS)はSLC12A3遺伝子の機能喪失性変異により発症する常染色体潜性の遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症(SLT)である.尿細管におけるナトリウムの再吸収障害とその代償反応により,低カリウム血症や低マグネシウム血症,代謝性アルカローシス,低カルシウム尿症を呈する.一方,偽性バーター/ギッテルマン症候群(PBS/PGS)は緩下剤などの薬剤乱用や過度のダイエットなどの生活習慣によりGSと同様の所見を呈する.ともに塩分嗜好や易疲労感,四肢筋力低下などの非特異的な症状を呈し,患者のQOLは有意に低下し,時に致死的な腎外合併症を呈する.さらにPBS/PGSでは腎機能低下をきたしやすく,原因除去後も長期にわたり低カリウム血症が持続しうる.治療により劇的に諸症状が改善する症例も多いが,患者自身も症状を病的と自覚していない場合もあり,疑わしい場合は医療者が積極的な問診と検査などを施行し,見逃さないことが重要である.
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