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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅲ.尿細管・間質性・囊胞性疾患
14.Liddle症候群
Liddle syndrome
賴 建光
1
Rai Tatemitsu
1
1獨協医科大学病院腎臓・高血圧内科
キーワード:
高血圧
,
低カリウム血症
,
上皮型ナトリウムチャネル(BNaC)
,
SGK-1
,
Nedd4-2
Keyword:
高血圧
,
低カリウム血症
,
上皮型ナトリウムチャネル(BNaC)
,
SGK-1
,
Nedd4-2
pp.165-169
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001018
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1 概念
Liddle(リドル)症候群は,1963年にLiddleらによって初めて報告された,高血圧,低カリウム血症,代謝性アルカローシス,血漿レニン/アルドステロン濃度の低下を特徴とする常染色体顕性(優性)遺伝病である。原発性アルドステロン症と類似した症状を示すが,鉱質コルチコイド受容体拮抗薬であるスピロノラクトンが無効であることを除いては,原発性アルドステロン症に類似した症状を示すことが特徴である。一方,遠位尿細管や集合管に存在する上皮性ナトリウムチャネル(epithelial Na channel:ENaC)の阻害薬であるトリアムテレンは,本疾患の治療に有効であることが示されており,分子病態解明以前からENaCによるナトリウム輸送異常が原因である可能性が示唆されていた。近年の分子生物学的アプローチの発展により,Liddle症候群はENaCナトリウムチャネルの遺伝子変異によるチャネル活性異常が原因であること解明された。
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